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不動産は将来資産にならないのか?将来の不安を減らす考え方を解説

会社からのお知らせ

佐々木 直樹

筆者 佐々木 直樹

不動産キャリア18年

面白く・楽しく・美しくありたいと思っております(笑)

不動産を持っていれば将来も安心な資産になる。
そう考えるのが当たり前だった時代は、少しずつ変わりつつあります。
人口減少や空き家の増加、建物の老朽化や維持費の負担など、これまで見過ごされがちだった前提が揺らいでいるからです。
その一方で、条件次第では今後も安定した資産として機能する不動産があるのも事実です。
大切なのは、不動産は必ず資産になると信じることでも、不安だけで手放すことでもなく、自分の不動産が将来どちらに近いのかを冷静に見極めることです。
本記事では、不動産は将来資産にならないと言われる背景と、本当に資産として残すための考え方を、はじめての方にも分かりやすく整理してお伝えします。

なぜ「不動産は将来資産にならない」と言われる?

まず、日本全体の人口が長期的に減少していることが、不動産の将来価値への不安を高めています。総務省統計局の人口推計では、総人口は2015年以降減少が続き、2023年時点でも前年より約59万人減少しています。
一方で、総住宅数は増え続けており、総務省の住宅・土地統計調査によると、2023年の総住宅数は約6505万戸まで増加しています。
人口が減るのに住宅は増える状況では、需要より供給が多くなりやすく、空き家が増加しやすい構造になります。
このように、人口動態と住宅供給のミスマッチが、「将来は不動産が余るのではないか」という懸念につながっているのです。

次に、空き家の増加そのものが、不動産の資産性に対する疑問を強めています。総務省統計局の住宅・土地統計調査によると、2023年時点の全国の空き家数は約900万戸、空き家率は13.8%で過去最高水準となっています。
空き家が多い地域では、近隣の住宅地全体の魅力が下がり、土地や建物の評価額が伸びにくくなるおそれがあります。
また、売却や賃貸の希望者が少ないエリアでは、売りたくても買い手が見つからない、貸したくても借り手がいないという状況になりかねません。
このように、空き家の増加は「保有していても価値を生み出しにくい不動産」が増えていることを示しており、不動産が将来も安定した資産でいられるかどうかへの不安材料になっています。

さらに、不動産は所有しているだけで一定の費用負担が生じる点も、資産性を考えるうえで重要です。建物は時間の経過とともに老朽化し、修繕やメンテナンスの費用が必要になります。
加えて、固定資産税や都市計画税といった税負担は、利用していない土地や建物であっても原則として毎年発生します。
特に、賃貸に出して家賃収入を得ていない住宅や、将来利用の予定がはっきりしない土地の場合、維持費や税金だけが出ていき、手元の資金を圧迫する原因になりかねません。
このようなコスト構造から、「持っているだけでお金が減る不動産」は、将来資産ではなく負担になるのではないかと考えられているのです。

区分 不動産の状況 資産性への影響
人口減少が進む地域 需要減少・空き家増加 売却困難・価格下落懸念
人口が集中する地域 需要比較的安定 価格下支え要因
老朽化した建物 修繕必要・競争力低下 維持費増加・資産性低下

「不動産=資産」の常識が揺らぐ将来リスクとは

将来の不動産価格には、人口減少や世帯数の変化が大きく関わります。
国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、総人口が今後長期的に減少し、高齢化が一段と進む見通しが示されています。
人口や世帯が減れば、需要が弱い地域の住宅や土地は値上がりしにくく、むしろ値下がりリスクが高まります。
さらに、金融政策の転換により金利が上昇すると、住宅ローン負担が増えて購入余力が下がり、不動産価格の上昇を抑える要因にもなります。

一方で、空き家や利用されていない土地の増加は、不動産を「売りたくても売れないもの」に変えてしまうおそれがあります。
総務省の住宅・土地統計調査速報によると、2023年時点の全国の空き家数は約900万戸、空き家率は13.8%と、いずれも過去最多となっています。
空き家が多い地域では、近隣の相場そのものが下がりやすく、買い手が見つかるまでに長い時間がかかる傾向があります。
このように、市場で流通しにくい不動産は、帳簿上は資産でも、実際には現金化しづらい「眠った資産」となりやすいのです。

さらに、相続や老後資金が必要になる段階で、不動産が負担に変わる場面も増えています。
人口減少や高齢化の進行により、相続で取得した不動産を自ら利用する予定がなく、維持管理費や固定資産税だけがかかる事例が増加しています。
市場で十分な価格が付かなければ、売却しても老後資金の大きな足しにならない一方で、空き家として放置すれば、管理責任や倒壊リスクなどの問題を抱え続けることになります。
将来の資金計画を考えるうえでは、「値上がりを期待できる資産」というより、「維持コストと処分のしやすさを丁寧に見極める対象」として不動産を捉えることが重要になります。

将来リスクの要因 不動産への影響 意識したいポイント
人口減少・高齢化 需要減少による価格下落 長期的な人口と世帯数の動向
金利水準の上昇 購入余力低下と価格抑制 ローン負担と利払いコスト
空き家・売れ残り増加 現金化しにくい資産化 流通性と処分のしやすさ

それでも不動産が将来の資産になり得る条件

不動産が将来にわたって資産として機能するかどうかは、まず立地と将来需要の見通しが大きく影響します。
国土交通省が進める立地適正化計画では、人口減少の中でも居住や医療、商業などの都市機能を集約する区域が示されており、こうした区域と公共交通との結び付きが強い場所ほど、居住ニーズが維持されやすいとされています。
また、総務省の住宅・土地統計調査などから、人口や世帯数が将来にわたって一定程度見込める地域では、空き家率の上昇が比較的抑えられる傾向が指摘されており、流動性、すなわち売却や賃貸のしやすさに直結します。
このため、購入や保有を検討する際には、現在の利便性だけでなく、将来の人口や世帯構成、公共交通や生活インフラの維持方針などを総合的に確認することが重要です。

不動産を資産として考えるうえでは、収益の種類を理解しておくことも欠かせません。
一般に、家賃収入などの継続的な収益はインカムゲインと呼ばれ、売却時の値上がり益はキャピタルゲインと呼ばれます。
人口減少や空き家増加により、将来の価格上昇を前提としたキャピタルゲインのみを期待することは、以前よりも不確実性が高まっていると指摘されています。
そのため、不動産を資産として位置付ける際には、現実的な賃料水準や稼働率を踏まえたインカムゲインの見込みと、保有コストとの差し引きで、長期的にプラス収支となるかどうかを丁寧に検証する視点が求められます。

さらに、不動産の価値を将来にわたって維持しやすくするためには、適切な管理と計画的な修繕が不可欠です。
分譲マンションでは、長期修繕計画や管理状況が一定の基準を満たす場合に管理計画認定制度の対象となり、適切な管理が資産価値の維持につながるとしています。
長期修繕計画の期間や積立金の水準、建物や設備の更新方針が明確であるほど、将来の大規模修繕時に予期せぬ負担増となるリスクを抑えやすくなります。
戸建てや土地であっても、定期的な点検や補修、法令に基づく維持管理を行うことで、安全性と市場での評価が高まり、「価値が落ちにくい不動産」として選ばれやすくなると考えられます。

資産になり得る条件 確認したいポイント 将来への効果
人口減少下でも需要ある立地 居住機能集約区域や公共交通の有無 売却や賃貸のしやすさ向上
安定したインカムゲイン 想定賃料と空室リスクの妥当性 長期の収支を黒字で維持
計画的な修繕と管理 長期修繕計画と積立金水準 建物状態と評価の維持

不動産が将来の負債にならないための見直しポイント

まずは、現在所有している不動産の収支バランスを整理することが大切です。
固定資産税や管理費、修繕費などの年間コストを洗い出し、将来見込める賃料収入や売却可能性と比較してみてください。
総務省の住宅・土地統計調査では、全国の空き家数が約900万戸、空き家率が13.8%まで高まっており、利用や管理の見通しが甘い不動産ほど負担化しやすい状況が示されています。
こうした客観的な統計も参考にしながら、「持ち続ける意味」があるかどうかを冷静に点検することが重要です。

次に、今は使っていない、または近い将来利用予定のない不動産については、空き家化や長期放置のリスクを意識しておく必要があります。
土地白書などでも、人口減少や土地利用ニーズの低下を背景に、空き家・空き地の増加と管理不全が課題になっていることが指摘されています。
建物を放置すれば老朽化が進み、安全性の確保や解体費用など、将来まとまった支出が必要になる可能性があります。
利用予定がはっきりしない場合は、早期の利活用や処分の方向性を検討しておくことで、将来の負担を抑えやすくなります。

さらに、将来の相続や老後資金の確保という視点から、不動産をどう位置付けるか考えておくことも欠かせません。
相続登記の申請は、原則として相続を知った日から3年以内の義務となり、怠ると過料の対象となる可能性があります。
また、日本銀行の金融システムレポートでも、不動産価格や不動産向け融資の動向には注意が必要とされており、将来いつでも望む条件で売却できるとは限りません。
家族構成や生活設計を踏まえ、「資産として残す不動産」と「負担になる前に方針を決める不動産」を整理しておくことが、将来のトラブル回避につながります。

見直しの観点 主な確認内容 放置時の主なリスク
収支バランス 固定費と収入見込み 維持費の長期垂れ流し
利用予定 居住・賃貸の具体性 空き家化と老朽化進行
相続と将来設計 相続人の意思と方針 登記未了と負担の押し付け

まとめ

「不動産は将来資産にならないのでは」と感じる背景には、人口減少や空き家増加、建物の老朽化や税金・維持費の負担など、さまざまな要因があります。
しかし、立地や将来需要、売却しやすさ、収支バランスを丁寧に見直せば、不動産を将来の負債ではなく資産として活かすことも十分可能です。
不安を抱えたまま放置せず、早めに状況を整理し、今のうちに取れる選択肢を一緒に検討してみませんか。
具体的にどこから手を付ければよいか迷われている方は、ぜひ当社へお気軽にご相談ください。

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