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賃貸のクリーニング費用とは?原状回復ガイドラインの基本を解説

佐々木 直樹

筆者 佐々木 直樹

不動産キャリア18年

面白く・楽しく・美しくありたいと思っております(笑)

賃貸物件に住んでいると、退去時のクリーニング費用という言葉を目にすることが多くなります。
しかし、その金額や範囲がどこまで妥当なのか、よく分からないまま請求を受けてしまう人も少なくありません。
実は、原状回復に関する考え方にはガイドラインがあり、クリーニング費用の負担ルールにも一定の目安があります。
そこで本記事では、賃貸の退去時にかかるクリーニング費用とは何かを基礎から整理し、原状回復ガイドラインとの関係や、契約書・特約のチェックポイントまで分かりやすく解説します。
トラブルを未然に防ぎ、納得して退去するためのヒントとして、最後まで目を通してみてください。

賃貸物件のクリーニング費用とは何か

賃貸物件の退去時に請求される「クリーニング費用」とは、主に専門業者による室内清掃のための費用を指します。
具体的には、床や壁、キッチン、浴室、トイレなどを入居前と同程度に清潔な状態に整える作業が中心です。
この費用は、汚れを落とすことを目的としており、壊れた設備を交換したり、大がかりな工事を行う費用とは区別されます。
そのため、退去時の請求内容を確認する際には、どこまでが清掃で、どこからが修繕なのかを意識して見ることが大切です。

原状回復は「入居時と同じ状態」に戻すという意味で使われることが多いですが、国土交通省のガイドラインでは、通常の生活で生じる汚れや経年変化まで元に戻す義務はないと整理されています。
この中でクリーニング費用は、原状回復費用の一部として位置づけられ、貸主と借主のどちらが負担するかは、汚れの原因や契約内容によって異なります。
例えば、通常の使用で生じた軽微な汚れについては、賃料に含まれていると考えられる部分もあります。
一方で、借主の不注意による著しい汚れや放置によるカビなどは、原状回復費用としてクリーニング費用が借主負担となる場合があります。

ハウスクリーニングは、あくまで清掃作業を中心としたサービスであり、壁紙の張り替えや設備交換といった修繕とは目的も費用の性質も異なります。
例えば、キッチンの油汚れを落としたり、水あかを除去したりする作業はクリーニング費用に含まれますが、破損したコンロ本体を交換する費用は修繕費用として別の扱いになります。
この違いを理解しておくことで、退去時の請求書に記載された項目が妥当かどうかを判断しやすくなります。
そのうえで、請求内容に不明点があれば、どの作業が清掃で、どの作業が修繕に当たるのかを具体的に確認することが重要です。

項目 内容 費用の性質
ハウスクリーニング 専門業者による室内清掃 原状回復の一部
通常の汚れ 日常使用による軽微な汚れ 賃料に含まれる負担
修繕費用 設備交換や補修工事 破損部分の回復

原状回復ガイドラインが示すクリーニング費用の負担ルール

国土交通省は、民間賃貸住宅の退去時トラブルを減らす目的で「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」を公表しています。
このガイドラインは、原状回復の考え方や費用負担の基本ルールを整理し、賃貸人と賃借人のどちらがどの範囲を負担するのかを示した指針です。
特に、クリーニング費用についても、どのような場合に賃借人負担となるかの考え方が示されており、敷金精算の判断材料として広く参照されています。
そのため、退去時の請求内容に疑問を感じたときは、このガイドラインの考え方を確認することが重要です。

ガイドラインでは、原状回復とは「入居時の状態に戻すこと」ではなく、賃借人の故意・過失などにより生じた損耗や毀損を復旧することと整理されています。
つまり、時間の経過や通常の使用によって生じる汚れや傷と、賃借人の不注意などによる汚れや破損は、負担の考え方が明確に区別されています。
前者の「通常損耗」や「経年変化」は原則として賃貸人負担、後者の故意・過失による損耗は賃借人負担とされるのが基本的な考え方です。
この区別が、退去時のクリーニング費用や補修費用の妥当性を判断するうえでの出発点になります。

クリーニング費用についてガイドラインは、単に退去時一律で賃借人に負担させるのではなく、汚れの原因や範囲に応じて負担者を考えるべきとする立場を示しています。
通常の生活で生じるホコリや軽い汚れは通常損耗として賃貸人負担とされる一方、著しい油汚れや落書きなど、明らかに通常の使用を超える汚れについては賃借人負担となる可能性があります。
また、入居時からの汚れや設備の古さに起因する清掃・交換まで賃借人に負担させることは、ガイドラインの趣旨に合致しないとされています。
退去時にクリーニング費用を請求された場合は、その汚れが通常損耗なのか故意・過失によるものなのかを、ガイドラインの考え方にならって冷静に確認することが大切です。

区分 代表的な内容 基本的な費用負担
通常損耗・経年変化 日焼け・家具設置跡 原則として賃貸人負担
通常使用の範囲の汚れ 日常的なホコリ汚れ ハウスクリーニングは賃貸人負担
故意・過失等による汚れ 落書き・著しい油汚れ 必要な清掃費は賃借人負担

賃貸契約書・特約とクリーニング費用の関係

退去時のクリーニング費用が発生するかどうかは、賃貸契約書にどのような条項が記載されているかで大きく変わります。
一般的な原状回復条項に加えて、「退去時クリーニング費用は借主負担とする」といった特約が設けられている例も少なくありません。
また、特約がある場合でも、汚れ具合にかかわらず一律で請求するものか、面積や作業内容ごとに算定するものかは契約ごとに異なります。
そのため、退去時の負担トラブルを避けるには、契約締結前に条文を具体的に読み取り、内容を理解しておくことが大切です。

特約により借主がクリーニング費用を負担すること自体は、国土交通省の原状回復ガイドラインでも一定の条件下で認められています。
具体的には、特約の必要性があること、借主にとってどのような負担になるかが明確であること、そして借主が理解したうえで合意していることなどが重要とされています。
一方で、「クリーニング費用は借主負担」などとだけ簡単に書かれている場合は、対象範囲や金額水準が不明確で、無効と判断されるおそれもあります。
したがって、どの部位をどの程度まで借主負担とするのか、面積単価や一式料金なのかといった点が、条文や重要事項説明で具体的に示されているかを確認することが欠かせません。

敷金精算の場面では、クリーニング費用が敷金から差し引かれることが多く、その際の明細書の内容が重要な手掛かりになります。
明細には、室内クリーニングや設備交換などの工事項目ごとに、金額と負担区分(貸主負担・借主負担)が分かる形で記載されていることが望ましいとされています。
もし、クリーニング一式という表現だけで高額な金額が敷金から控除されている場合には、作業内容の内訳や根拠となる契約条項の提示を求めることも検討できます。
このように、契約書と精算明細の両方を突き合わせて確認することで、納得度の高い敷金精算につながりやすくなります。

確認すべき書類 主なチェック内容 見落としやすい点
賃貸借契約書本体 原状回復条項の有無 通常損耗の扱い
特約条項の記載 借主負担範囲の明示 金額水準や算定方法
敷金精算書・明細書 項目別の工事内容 貸主借主の負担区分

まとめ

賃貸物件のクリーニング費用は、原状回復費用の一部として整理されており、ガイドラインに基づく正しい負担区分の理解が大切です。
契約書や特約を丁寧に確認し、敷金精算時には明細をチェックすることで、不要なトラブルを避けられます。
入居時の記録や日頃のこまめな清掃も、退去時の負担軽減につながります。
当社では、お客様の状況に合わせてクリーニング費用や原状回復の疑問に丁寧にお答えしています。
「自分の場合はいくら負担するのか知りたい」と感じたら、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。

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